<2016.9.4記>
以下は、かつて萩城の項に記した、高校時代の萩旅行の思い出。
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萩城に向かって自転車を走らせていると、交差点で地元のおばあさんに声をかけられました。
「萩城に行くのかい?だったら、『女台場』も見て行ってくれ。あれは萩の女の誇りだから。」
市内の菊ヶ浜には、主に女性たちの力によって築かれたと伝わる菊ヶ浜台場があり、通称「女台場」と呼ばれています。観光ガイド等で存在は知っていたものの、どういうわけだか「時間の都合」で私の中では見学ルートに入っていませんでした。今なら一も二もなく立ち寄るのでしょうけれども・・・折角のおばあさんの厚意も無にしながら、私はそのまま萩城へと向かったのでした。ああ、なんと勿体ない。
(中略)女台場を見てこなかったことによる多少の後悔を胸に、東萩駅から今度は津和野へと向かったのでした。
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2度目の萩訪問では行かないわけにはいかない・・・と、張り切って女台場を目指しました。
雨の降る中、車を走らせることしばし。近くまで行けば「女台場」の看板くらいあるのかなと思っていましたが、探し方が悪かったのか、看板は見当たらず。地図で見て「確かにここのはずだ」と思う場所に行ってみると、依然として看板はないながらも、それらしき土塁が松林の中に横たわっていました。
土塁の上に立つと、やっとのことでおばあさんの厚意に応えることができたことにいささかの安堵感が芽生えました。
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