三輪城
みわじょう

(東京都町田市)
最終更新日:2012.3.23

地図

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<2012.3.23記>
東京都内、それも町田市内に、こんなに明瞭な遺構を残す山城があるとは思いませんでした。私有地であるらしく、そこここに立入禁止の札が出ていますが、本丸に存在する神社への参拝が黙認されているようで、ある程度は城内を散策することができます。
息子とキノコを探しに来たのが、このお城を訪ねた最初です。息子の小学校の自由研究の対象と、私自身の興味の対象とをいっぺんに見て回れると踏んだのですが、残念ながらキノコはほとんど見当たらず、ただの山城見物になってしまいました。私は興奮しきりでしたが、息子はじっと冷めた目で私を見ていたような気がします。
Data
ランク -
土塁、堀
創築:不明
不明
町田市内にこれだけ立派な遺構を残していることも奇跡に近いですが、このお城に関する記録がほとんどないこともまた奇跡に近く、全くもって謎のお城、ということになります。ただ一つ、「三輪」の名前が出てくる文書が北条氏照発給の古文書の中にあり、それによれば、近隣の馬をことごとく三輪に集め、城内の兵糧を小田原だか江ノ島だかに運べ、という指令文書だったようです。ここからわかることは、少なくとも三輪城は小田原の後北条氏に認識されたお城であり、小田原の役の前後にも存続しており、かつ城内には輸送を必要とするほどの兵糧米を貯蔵していたという事実です。
現在の三輪城は個人所有の敷地内にあり、自由な立入はできませんが、中郭にある神社への参拝用に、城内を通過することだけは許されています。見学の際は大人数にならぬよう、かつ失礼のないよう、そっと訪ねて頂くことが肝要です。お城自体は神社のある本丸を囲む腰曲輪と、本丸と堀を隔てて向かい合う二の丸的な空間と、それらを囲む横堀等が主な遺構となりますが、堀にはところどころに屈曲があり視界を遮る仕組みになっている等、随所に小技を利かせています。駐車場もなく、見学には細心の注意が必要なお城ですが、見学する価値は十分にあるお城だと思います。





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