飛山城
とびやまやまじょう

(栃木県宇都宮市)
最終更新日:2011.7.18

地図

<2011.7.18記>
何年か前に、ミニオフ会で飛山城が舞台となったことを聞き、なんとしても一度行ってみたいと、渋滞の中、日暮れぎりぎりで滑り込みました。城内を周るうちには日も暮れて、ほの暗い空の下、大地を切り裂く直線的な堀と、堀上に輝く大きな月が、あたかも一枚の絵のようになって、印象的な風景を作り出していました。ロマンチックな夜でした。本丸にいるうちに閉められた入口の門を内側から乗り越えながら、一人でなんだか悦に入っていました。

Data
ランク 「こんな城」、栃木県7位
土塁、堀
創築:鎌倉時代?、芳賀氏
芳賀氏
関東の名族・宇都宮氏の重臣であった芳賀氏の本拠地として、鎌倉時代から戦国時代までほぼ一貫して芳賀氏の城として使われました。芳賀氏もほぼ一貫して宇都宮氏に仕え続けました。とはいえ戦国の世のこと、宇都宮氏も芳賀氏もいろんなお家騒動やら抗争やらに巻き込まれるのではありますが。芳賀氏が一貫して使用しているせいか、却ってその歴史を説明してくれている文書が少ない、不思議なお城です。廃城となったのは従来、宇都宮氏の改易時(慶長2(1597)年)と言われていましたが、実際にはもう少し早く、小田原の役(天正18(1590)年)の後にはもう廃城となっていたのではないかと言われるようになっています。
台地の突端を何本かの堀で仕切る構造は、関東の城郭には結構多く、直線的な堀に直角の「折れ」を多用したスタイルも、関東地方には結構見られるタイプです。こうしてみると、直線の堀と直角の折れというのは、どうみても後北条氏のオリジナルではなく、ごくごく普通に存在した技術だったのでしょう。





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