大見城
おおみじょう



所在地:静岡県伊豆市柳瀬
最終更新日:2018.3.15
<2018.3.15記>
大見氏によって平安時代に築かれたとの伝承を持つお城です。平安時代とはまたずいぶん古いですが、伊豆国というのは何しろ鎌倉時代の幕開けを演出した場所だけに、他の地域ほど一概に否定してよい伝承でもないのでしょう。大見氏はその後どこかで断絶してしまいますが、この地域には相当昔から武士団が居住していたのでしょう。なお、大見城の麓にある実成寺は大見氏の居館があった場所とも伝えられています。この「実成」というのも気になりますね。「じっせい」と読んでしまえば何のことやらですが、「実」を「み」と読んで「成」に土へんをつければ「城」になり、「みじょう」になりますよね。これを「みじょう」と読んでよければまさしく大見氏の本城という意味合いを持たせることも可能でしょう。
伊勢盛時(北条早雲)が活躍した15世紀の終わり頃、大見城には「大見三人衆」と呼ばれる武士(佐藤藤左衛門、梅原六郎左衛門、佐藤七郎左衛門)がいて、柏久保城の後詰めに入っていた狩野氏を背後から撃退するという手柄を立てたことが記録されています。大見城はその頃に後北条氏の支援を得て修築がなされたことでしょう。取り立ててすごい遺構があるお城ではありませんが、要所要所に刻み込まれた竪堀など、それなりに考え込まれた構造となっているように見受けられます。
ところでこの大見城、農水省の肝煎りで森林公園として整備されました。その総工費が主郭の案内板に記載されていますが、その額がとんでもないことになっています。これだけお金をかけているんですから、継続的な整備を進めて頂けることを密かに祈るばかりです。このままだと元の木阿弥・・・いや、元の草むらです。
Data
ランク -
土塁、堀
創築:不明、大見氏 改築:15〜16世紀、伊勢(後北条)氏
大見氏、後北条氏
「季多楽」という道の駅のような施設が目印です。駐車場・トイレ・売店完備なのでここに車を停めて、大見城と実成寺をまとめて見学すると便利です。

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