花崎城
はなさきじょう



所在地:埼玉県加須市花崎
最終更新日:2017.9.18

   
<2017.9.18記>
東武伊勢崎線の花崎駅からほど近く。伊勢崎線の線路にそった小さな公園が、花崎城の故地となります。特に起伏があるわけでもないのですが「花崎城山公園」と名付けられたこの公園は、「花崎遺跡」として調査がなされ、城館施設としての堀が複数検出されただけでなく、その堀にはいわゆる障子堀加工が施されていたことで、城郭ファンの間では一躍話題となりました。伊勢崎線の沿線開発で周辺一帯が全て線路と道路と住宅へと変貌する中、この小公園が「城山公園」として残された価値は絶大です。花崎城を訪ねると、話題になった障子堀には水が張られているため、障子の詳細を確認することはできませんが、それでも中世城館跡らしい風情を存分に感じることができます。コアなお城ファンならこれだけでも十分幸せになれることでしょう。
花崎城には、系統立てて誰々のお城であったというほどの詳細はわからないまでも、上杉謙信や後北条氏の関東経略の過程でしばしば矢面に立ち、落城したり自落したりしています。立地的にも上杉やら後北条やらに取ったり取られたりの日々だったのでしょう。少なくとも永禄4(1561)年の上杉謙信(まだ長尾景虎時代ですが)関東侵攻時には細萱泰秀なる人物が花崎城で上杉方の木戸某による攻撃を受け、落城したという記録があるようです。また、上杉謙信が天正2(1574)年に岩槻城を攻めようとした際には花崎城を「向城」として取り立てたものの、「即時自落」したという記録が北条氏繁書状に残されているようです。立地がよいのでいろんな形で使われて、その割には防御が弱くてあまり役に立たなかったお城、というイメージでしょうか。
ランク 埼玉県旧跡
土塁、堀
創築:15世紀頃?、細萱氏?
細萱氏
アクセス 東武東上線花崎駅から線路に沿って500mほど西進した南側にある公園が花崎城です。駐車場はありませんので、これは電車で訪ねるお城ですね。


花崎城フォトギャラリー





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