玉城城 たまぐすくじょう |
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(沖縄県南城市) 最終更新日:2017.2.26 ※玉城城フォトギャラリーはこちら※ |
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<2017.2.26記> 玉城城は、南城市の「グスクロード」の真っ只中にあります。位置的にもグスクロードの中核をなすと言ってよいでしょう。が、世界遺産に指定されている他のグスクに比べると人数もまばらでひっそりとした感があります。すぐ北側にゴルフ場があったり、青少年の家が隣にあったりと、決して淋しい場所ではないのですが、人数の少なさのせいか、はたまた自然石をくり抜いた野趣溢れる城門のせいか、他のグスクよりも一段と神秘的な雰囲気が漂っていました。 上り詰めたその瞬間に雨が降ってくるあたりも神がかり的(笑)。傘を持っていなかったので、駆け足で車へと戻りました。 |
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石垣 | |
創築:15世紀頃 | |
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歴史的経緯ははっきりしません。玉城村、現在の南城市のあたりにはグスクが密集しており、そのすべてを「城郭」と考えるには無理があるのかもしれません。玉城城にも支配者層の居住や戦闘といった「城郭的」な言い伝えに乏しいことから、グスクが持つもう一方の側面、すなわち宗教上の聖地としての役割の方が大きかったのかもしれません。 玉城城は、かつては石垣に囲まれた三つの曲輪で構成されていましたが、二の郭、三の郭の石垣は米軍が基地改修か何かで持ち去ってしまい、現在残っているのは主郭石垣だけ。ただその主郭入口に開口している城門は自然石をくり抜いたもので、玉城城をより深く印象付けるものとなっています。 下から見上げると「あれ、案外高いところまで登るんだな」という印象を受けるグスクですが、坂道は緩やかで、かの城門の前には木造の階段が設置されているため、苦労することなく主郭に辿り着けます。見学者も少ないので、逆にグスクの世界を独占的に堪能できる、よいグスクだと思います。 |