長命館 ちょうめいだて |
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(宮城県仙台市泉区) 最終更新日:2015.10.7 |
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<2015.10.7記> 仙台市内には仙台城や若林城といった近世大名・伊達氏関連の城郭以外にも見どころのある城郭がごろごろしているというので、件数稼ぎも兼ねてささっと回っていくことにしました。 最初に訪れたのがここ、長命館。その名のまんま、長命館公園になっているので駐車場もばっちりかと思いきや、案外探す羽目に。結局、公園の東北側の入り口近くにあることがわかりましたが、そこまでの道もさすが大都会・仙台だけあって案外混み合っていて、ささっと回るにしては案外時間を取られてしまいました。 なので、ささっと階段を登ってささっと見届けようと思ったら、これが案外広いし、案外いい(笑)。やんわりとしたお城の遺構をそのまんま通路や休憩広場にしているのがちょっと不思議で、お城が公園になったというより公園がお城になったのではないかと思うくらい。城内、というか園内には案外多くの親子連れがいて、ボール遊びや虫取りやらに夢中になっていました。 そんなのどかな光景の中、目を血走らせて一人走り回る中年男子は、さぞ異相であったことでしょう。 |
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土塁、堀 | |
創築:不明 | |
不明 | |
はっきりとした遺構を住宅地の中に残す長命館ですが、その歴史的位置づけははっきりしません。近世文書などでは奥州藤原氏関連の館とする説も唱えられているようですが、構造は明らかに戦国城郭なので、その推測は憶測の域を出ないでしょう。奥州の有力士族である留守氏関連文書の中に「国分勇者長命別当」なる人物が登場するそうで、その人物はきっと長命館に居住していたのだろうと推測されています。ただこの長命別当がどんな人物であるのかなど、詳しいことはわかりません(以上、仙台市史からの引用として城址案内板に記された文章を意訳)。 お城は概ね長方形の主郭を中心に3つの大きな曲輪と、いくつかの腰曲輪から構成されています。曲輪と曲輪との間は堀で仕切られており、いくつかの箇所では意図的な屈曲(横矢)も見られる、案外高度な縄張りとなっています。ただの公園だと思って見に行くといい意味で裏切られますので、覚悟を決めて見に行って頂ければと思います。 |