山入城
やまいりじょう



所在地:茨城県常陸太田市国安町
最終更新日:2017.8.13

   
<2017.8.13記>
山入城は山城ですが、山城部分に突っ込むくらいのところまで車で登ることができます。それなら行ってもよいかと思い(笑)、有難く車で登っていきました。ちょうど柑橘類が実ったころで、収穫されることもなく曲輪内に散らばった黄色い果実が、茶一色の風景の中に彩を添えてくれていました。ほどなく堀切と土橋が現れます。土橋の手前と奥ではお城の役割が全く異なるのでしょう。土橋の内側がいわゆる内城とか実城とか呼ばれるエリアなのだろうと推測しつつ、主郭を目指します。と、見上げた先には白い案内板。案内板までの切岸の連続を見る限り、このお城も攻めるのは大変なんだろうな、と感じざるを得ません。主郭は広場になっていて、木も草も綺麗に刈られています。その奥には堀切があるのだと思いますが、そのあたりは薮がちでよく見えません。公園になっている山城の多くがそうなのですが、公園になっているところとそうでないところとの整備ギャップが結構あって、全貌を把握しようとするとよくわからないところがあります。山入城はそういうお城に比べればまだ遺構がよく見える方ですが。
山入城は佐竹宗家とその主導権を争い続けた山入佐竹氏が本拠地としたところです。常陸太田城が平地の居館で、いかにも守護館的な雰囲気を備えているのに対し、山入城は、少なくとも山城部分はかなり実戦的な作りです。山入佐竹氏の方が余裕がなかったのか、単に好戦的だったのか。支配と統治に関する両者の考え方の違いを見るようで面白いな、と思いました。ちなみに山入佐竹氏は延徳元(1490)年に佐竹宗家の義舜を常陸太田城から追い出し、佐竹氏乗っ取りに成功しますが、永正元(1504)年には義舜の逆襲にあって山入佐竹氏は滅亡します。
ランク 市史跡
土塁、堀
創築:延元年間(1336〜1340)年、西野温通
佐竹(山入)氏
アクセス 県道29号線を北上し、松平交差点を過ぎて障碍者支援施設ひまわりを左手に見ながら300mほど進むと、山入城入口を示す大きな看板が見えてきます。そこで右折し、突き当りまでひたすら山道を登ります。突き当りから主郭までは徒歩で10分とかかりません。非常に楽に登城できるお城です。

山入城フォトギャラリー






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