南部藩砂原陣屋
なんぶはんさわらじんや

(北海道地茅部郡森町)
最終更新日:2017.1.21



<2017.1.21記>
函館から大沼公園を通り過ぎて北上し、国道278号線を右折。美しい山容を誇る駒ヶ岳を右に見ながら車を進めると、国道沿いの左手に砂原陣屋が現れます。カーナビでは表示されませんが、大きな看板が出ていますのでまず通り過ぎることはないかと思います。
駐車場がはっきりしないのですが、陣屋の中に未舗装の車道が続いていますので、結果的に陣屋内に車を停めることになりました。これ、国史跡ですよね。地下遺構はダイジョウブなのかしらん。。。
陣屋は四角形の土塁が案外良好に残っています。特に凝った作りではありませんが、しっかりとこしらえられた区画はまさしく陣屋のもの。これだけでも函館から足を伸ばす価値があるなと思いました。
Data
ランク -
土塁
創築:安政2(1855)年、南部利剛
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安政2(1855)年、幕府は奥州以北の大藩(伊達、南部、佐竹、津軽、松前)に蝦夷地警備を命じます。これを受け松前藩では戸切地陣屋を、仙台藩では白老元陣屋を築くなどそれぞれに働き、南部藩もまた駒ヶ岳の北側にこの砂原陣屋を築くこととなりました。担当した藩ごとに微妙に名称や配置方法は異なるものの、主指令基地を「元陣屋」と呼び、その出先機関を「陣屋」としたのが実態で、南部藩の元陣屋は函館にあったようですから、砂原陣屋は南部藩の担当地域における出先機関の役割を担ったものということになります。
陣屋はほぼ正方形で、四週に巡らされた土塁はよく残っています。戸切地陣屋やその他の陣屋とともに、幕末における国土防衛の本気度を伝える貴重な遺構と言えるでしょう。





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