サシウシチャシ
さしうしちゃし

(北海道白糠郡白糠町)
最終更新日:2017.1.25



<2017.1.25記>
釧路からオタフンベチャシを目指して国道38号線を西進している時、崖の中腹に何やら不思議なモニュメントを見つけました。
「刺牛の砦」
モニュメントの傍らに立つ標柱には、確かにそう書いてあるような気がしました。「砦」というからには何らかのチャシに違いなし、と思い、東京に戻ってからあれこれ検索してみたところ、美しき女酋長伝説を持つチャシであることがわかりました。もしかしたら日本最北の「女城主」のお城なのかも。
この崖の上の稜線上にチャシが乗っかっているようですが、ご覧の通りの崖に加え、崖の手前には鉄道も敷設されているとあっては近づく術も見当たらず。私が知る限り、さすがのお城の猛者たちでさえも誰もまだこのチャシの上をレポートした人はいないようです。
Data
ランク -
土塁、堀
創築:不明
ホルペチ カムイ メノコ
美しい女酋長伝説を持つチャシなのだそうです。女酋長の名はホルペチ カムイ メノコ。美しいその酋長は神の生まれ変わりと信じられていたのだそうですが、厚岸の王がはるばる征服の兵を起こし、兵たちは今やチャシ目前に迫るところまで崖をよじ登ってきたのだそう。ところがホルペチが呪文を唱えるとにわかに風が起こり、厚岸の兵たちは木の葉のように吹き飛ばされてしまったのだとか。
サシウシとはサシ「昆布」がウシ「群生」するところという意味で、大変豊かな場所だったそうです。また、この地は昔から「鹿が山から下りてくるところ」として知られ、神が鹿の通り道を作ってくれているとも信じられてきたのだとか。そんなふうに何重にも神聖化されたのがサシウシ(刺牛)という場所なのだそうです。そんなところにあるチャシですから、下手に足を踏み入れるよりも今のまま下から見上げて崇めていた方がよいのかもしれません。





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