小幡陣屋
おばたじんや



所在地:群馬県甘楽郡甘楽町小幡
最終更新日:2022.12.5

   
<2016.2.1記>
上信越自動車道で信州方面に向かうことは比較的多いのに、小幡陣屋のある甘楽あたりはいつも通過するばかりなのが気になっていました。そこで、春日山城に向かう途中で思い切ってインターを降り、小幡陣屋にだけ立ち寄っていくことにしました。立ち寄ってみると小幡の城下町は思ったよりも風情があって、軽く立ち寄るだけでは勿体ない町であることがわかりました。次に訪ねる時にはもう少し余裕を持っていきたい町でした。
それにしても小幡陣屋・・・無駄にでかくて豪華です。無駄といっては失礼なのかもしれませんが、どんどん小大名に落とされていく織田家の御曹司・信雄系の陣屋であったことを考えれば、もう少し小さくて寂れた居館みたいなものを想像していたのですが、なかなかどうして堂々たるもの。名勝・楽山園も広くて立派・・・などなど、豪華っぷりばかりが印象に残った小幡陣屋でした。いや、陣屋としてはこれでも褒め言葉なんですけれども。
織田信長の次男・信雄の四男・信良が信雄の所領のうち甘楽郡2万石を分けられて立藩したのが小幡藩。信良の次男・信昌のときに小幡陣屋が作られました。以後、織田氏が5代、松平(奥平)氏が4代続いて明治を迎えます。
泰平の世にこしらえられた陣屋なので防御性はさほどではありませんが、それでも土塁と堀を擁し、名勝・楽山園を取り込んだ敷地は広大です。現在、土塁や堀、門や長屋などが復元されているほか、書院の平面展示などもなされており、わずか2万石の小大名のものとは思えない豪華な陣屋の一端を窺い知ることができるようになっています。
小幡の城下町もまるごと散策できるようになっていますが、そのため駐車場が陣屋から離れた場所にありますので、車で訪ねた場合には否応なく城下町散策をすることになりますのでご注意下さい(注:陣屋の真正面に駐車場が新設されました)。なお、城下町には「大手門」の跡や枡形虎口を持つ武家屋敷などもありますので、こちらも必見です。

<2022.12.5記>
小幡陣屋の近くにはこんにゃくパークとめんたいパークがあります。どちらももちろん小幡陣屋には関係ないのですが、こんにゃく、またはめんたいこを目いっぱい食べたくなったら、それぞれのパークにいけばそれこそ目いっぱい食べることができます。筆者が訪ねたのはまだまだコロナ禍の影響冷めやらぬ頃でしたが、それでもどちらのパークにも大勢の方が押し寄せていました。群馬県のこちらの地方はもともとこんにゃくの大産地で、とあるこんにゃく製造業者さんが意を決して「こんにゃくのテーマパーク」をこしらえたのがこんにゃくパークなのだそうですが、今や全国を席捲しつつある(まだか笑)めんたいパークも並び立つとは・・・。そんなわけで、全国的にも稀な「食のテーマパークロード」が出来上がってしまいました。小幡陣屋のついでに両パークに、というべきか、両パークのついでに小幡陣屋にも、というべきか。相手を選ぶ必要がありそうですが、特にご家族を無理やりお城に引っ張り出す(?)にはいい口実になるのかもしれません(ほんとか)。
数年前に部分復元整備が完了した小幡陣屋、復元された門の白木が少しばかり落ち着いて来て、だんだん陣屋っぽくなってきました。あと何年か経ったらもっと風格が出るのでしょう。楽山園は有料ですが、晴れた日なら1、2時間ぼんやり過ごしていても気持ちよさそうな公園(庭園)です。何回見ても同じことを思うのですが、何しろ優雅な庭園なんですよ。そこにやっぱり風流人としては一流だった織田信雄のセンスの良さが垣間見えるようです。
ランク -
門(復元)、長屋(復元)、石垣、土塁、堀
創築:寛永6(1629)年、織田信昌
織田氏、松平(奥平)氏(小幡藩、20,000石)
アクセス 道の駅甘楽からまっすぐ南に向かう道路を進むのが車では一番わかりやすいと思います。突き当たりが小幡陣屋で、突き当たって左に曲がったところに駐車場が出来ました。


小幡陣屋フォトギャラリー





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