彦部屋敷
ひこべやしき

(群馬県桐生市)
最終更新日:2015.4.9

地図

<2015.4.9記>
みどり市・桐生市の城めぐりの最後に訪れたのが、彦部屋敷でした。既に夕闇迫る中、門は閉ざされ見学もままならない状態でしたが、屋敷の周囲を囲む重厚な土塁を見て、「こりゃ城だな」と実感。
そんなわけで、「屋敷」の範疇ながら、ひとつのお城として数えた次第です。
ちなみに彦部氏の由緒は帰宅後に調べ、かの足利義輝との関係を知るにつけ「すげー」と思ったのでありました。
Data
ランク -
門、屋敷、土塁、堀
創築:16世紀、彦部信勝
彦部氏
彦部氏の祖先は高階氏で、高階氏の嫡流は「高」を名乗るのだそうです。有名どころでは南北朝時代の勇将・高師直などを輩出した、あの高氏です。彦部氏は足利幕府勃興時代からずっと足利氏を支え続け、足利義輝が松永久秀に謀殺された際、側近の一人として一緒に命を落とした中に彦部晴直という人物がいたそうです。ちょうどこのところ「剣豪将軍義輝」(宮本昌孝)を読んでいたこともあり、義輝と運命を共にした人物というだけでも落涙もの・・・と、それは個人的な話。
彦部屋敷の彦部氏は、その晴直の子息・信勝が近衛前嗣の関東下向に付き従い、そのまま関東に土着したところから始まるそうです。以来450年あまり。彦部家は延々とこの屋敷を守り続けたことになります。屋敷には母屋や土蔵の他、立派な長屋門もあり、国指定の重要文化財となっています。お城らしさを最もたたえているのは搦手口の枡形虎口と櫓台。櫓台に本当に櫓が乗っていたとしたら、これはもうお城そのものです。ただの屋敷だと思って訪ねるといい意味で裏切られます。なお、屋敷の背後にある手臼山には彦部氏の詰めの城があったそうです。





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