犬山城
いぬやまじょう



所在地:愛知県犬山市犬山北古券
最終更新日:2020.5.3
古くは織田、豊臣氏の持ち城であり、関ヶ原の戦いをはじめ幾多の合戦に巻き込まれつつ、江戸時代に入ってからは尾張藩徳川氏の付家老として平岩氏、後に成瀬氏が城主となりますが、立場上、独立した藩になれないという中途半端な状態で明治に至り、廃藩置県の直前にやっと犬山藩として成立します。
別名の「白帝城」は、荻生徂徠が名付け親です。天守は日本に12城しか現存しない中の一つであり、5城しかない国宝の天守でもあります。天正18(1590)年に美濃金山城から移築したとも伝えられてきましたが、解体修理の結果、移築は否定され、「日本最古」との評価は怪しくなりました。しかしながら、上層と下層との絶妙なバランスがもたらすこのお城の美しさまでは、誰も否定できないことでしょう。

<2001.8.26記>
国宝、犬山城。
日本最古の天守閣。
日本唯一の個人所有のお城(追記:現在は財団法人の所有になっています)。
逸話には事欠かず、「白帝城」という美しい別名も持つこの城に、もはや細かい説明はいらないでしょう。
初めてこの城を訪ねたのは11歳の時。それから23年を経て、漸く再びこの地にやってきました。最初に下層部分が作られ、それから上層部分が作られ、唐破風と付櫓は更に後になってつけられたらしいですが、増築を重ねることで、この城独特の躍動感が生まれたのでしょう。いつ見ても美しいお城です。
台風上陸前日で、雨交じりの天気となってしまったことがかえすがえすも残念です。いつかもっときれいな写真を撮ります。
ところで、ここの売店に記されていた「ところてん」の文字に非常に惹かれつつ、200円を惜しんでアイスクリームでお茶を濁しつつ、あの時確かにしょうゆ味のところてんを身体が欲していて、その後暫くの間、どういうわけか、あそこでところてんを食べなかったことが異常な後悔となりました。今度また必ず夏に行って、今度こそところてんを食べます。

<2010.2.11記>
上の文章を書いてから、またもや10年近くが経過していますが、今もって犬山城を訪ねる機会は巡ってきません。ところてんを食べるのはいったいいつのことになるのでしょうか(笑)。

<2010.10.30記>
そんなことを言っているくらいなら行って食べればよいのだ・・ということに思い至り、いそいそと訪ねてきました。めちゃめちゃ暑い日、久々に現地に立った感想は、

「やっぱりアイスクリームが食べたい(爆)」

いかんいかん。私は何をしに来たんだ、と気を取り直し、今度こそところてんを食べてきました。お椀いっぱいのところてんを割り箸一本で食べるという、とっても不思議な食物でした。でも、まあ、美味しかったですし、何より10年近く温めてきた思い(?)を満たすことができ、満足です。

<2020.5.3記>
20年がかりの犬山城記録がほぼところてんになっている・・・(汗)。
「城をやる」の初期コンセプトが、「難しいことはもっと詳しい方にお任せして、私は『軽い』旅行記みたいなものを書けばよいんじゃないかな」みたいなものだったせいもあるのですが、それにしても国宝の名城に対してところてんだけというのはいかがなものかと自分でも思います。まあそれが「城をやる」であると言えばその通りで、今となってはお恥ずかしい限りの文章ですが、これも20年の軌跡ということで、そのまま残しておきます。
真面目な話をいくつか。上のような文章を書いている間に犬山城にも研究のメスが入り、山腹からは「切岸」の遺構が見つかりました。もともとそれなりに急傾斜の山ではあるのですが、その斜面を更に削って傾斜をきつくしている痕跡が見つかったということですね。戦略上の重要拠点としてたびたび攻城戦の対象となり、その度に実は落城している犬山城ならではの自己防衛なのでしょう。犬山城は観光客に開放されている側は全体にのほほーんとした景観を呈しているのですが、天守のすぐ裏にある木曽川側の通路も非常に狭い虎口が設けられていますし、小さいお城ながら、小さいならではの厳重な防御が施されているお城です。「のほほーん」と言ってはみたものの、天守に至る直線通路を挟む石垣には鏡石も挟み込まれていますし、通路自体も直線ながら両サイドの曲輪から常に狙われる構造になっていますし、山麓から山上へとL字型に切れ込んでいる堀はお城を目の前にして右へ右へと迂回させられることで、攻め手に焦りを生じさせる作りになっているのだと思いますし、真面目にお城として眺めると案外よくできたお城であることに気付かされます。国宝天守があまりに目立つのでついつい天守だけに目が行きがちなお城ではありますが、「お城は天守」の感覚に飽きてきたら、「お城は守る場所」という本来の趣旨に立ち戻ってこの山を眺めると、いろんな面白いことに気付いて案外面白いと思います。

どうですかね。こ、これで少しはところてんから脱出できましたかね。。。
Data
ランク 国史跡、100名城、100選、百選、こんな城、愛知県2位
天守(国宝)、櫓(模擬)、門(模擬)、石垣、堀
創築:天文6(1537)年、織田信康 改築:天正18(1590)年、石川光吉
石川氏、小笠原氏、平岩氏、成瀬氏(犬山藩、35000石)
  犬山駅からなら、駅前の通りがまっすぐ犬山城下町に繋がり、そのまま犬山城へと到達します。城下町の景観復元にも力が入っていますので、城下町から眺める犬山城天守もなかなかの風情があります。
車なら木曽川沿いに進むと、犬山城の南西側にある駐車場へと誘導されます。
100名城スタンプは天守ではなく、本丸御門の上にある事務所で押すことができます。

犬山城フォトギャラリー





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